僕が伝えたいコト

旅が学びであること

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旅と本はセットで語られることが多いと思います。
僕がとても共感した一冊に井口貢氏の「深掘り観光のススメ」(ナカニシヤ出版)という本があります。

「深掘り観光」とは、「まちの行間を読むこと」でもあり、読書に似ている。
知識のみでなく、知恵をも充実させるものでなくてはならないと井口氏は述べています。

井口氏は旅を実践した著名な人物の一人に柳田國男を頻繁に引用しているのですが、
柳田のいう「良き旅行」にするためには、単に金銭と時間の消費だけに終わるのではなく、
観光に関わる人たちがそれを通してお互いに学び合うことができる、
すなわち誰もが教師であり、また生徒でもある「協育」の場でなくてはならないのではないかと主張しています。

僕もこれにとても共感しています。
僕がリベラルアーツと旅を結び付けたこと、プログラムで「対話」の時間を重視したいのは、まさにこのためです。

参加してくれる皆さんも、受け入れてくれる加西の地域の皆さんも、そして間に立ちプログラムをコーディネートする僕自身も、新しい学びを得られる場にしたいのです。

加西市北条町は古くから主要な街道が交わる交差点の宿場町で、多様なヒト、モノ、情報が歴史的に集積してきた街だと考えることができます。
(図)「加西市歴史文化基本構想.2018年」より引用、改編

様々な土地からやってきた旅人たちが加西の人々と交流し、新しいモノや情報を交換し合っている様子を想像すると、なんだかワクワクしませんか?

これが地域活性の原点のひとつだと僕は思うのです。

来訪者の旅という行為が、本人たちにとっても街の人々にとっても学びがあり、滞在することで地域が元気になるって最高じゃないですか!?

ところで、上で紹介した柳田國男が少年期に加西市北条町で暮らしており、その頃の体験が彼の民俗学研究に大きな影響を与えたと言われていることをご存知ですか? 別の投稿でそのお話を書きたいと思います。